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2008年06月 アーカイブ

2008年06月15日

【オリコン訴訟 判決批判2】オリコンが明言した「殺意」を無視する異常な判決

■ 損害額が五十分の一に減額されても「妥当」?

 東京地裁・綿引穣判決に対して、オリコンが次のようなコメントを発表している。

  ……〔略〕……このような判断が示されたことを、きわめて妥当なことと考えております。
   ● 訴訟の判決に関するお知らせ ( 2008-04-22 )
 
 誠に奇妙なコメントである。
 なぜ、「妥当」なのか。納得いかない判決ではないのか。損害額が五十分の一に減額されているのである。
 オリコンは、損害賠償として五千万円を請求していた。それにも関わらず、損害額が百万円しか認められなかった。
 普通に考えれば、オリコンは不服なはずである。
 だから、普通ならば、次のようなコメントを出すはずである。 
  ……。しかし、損害額が正当に評価されなかったのは残念である。
 
 それなのに、オリコンは「きわめて妥当なこと」と言う。
 なぜ、「妥当」なのだろうか。
 実際には、五千万円の損害を被っていないからであろう。五千万円の損害を被っていたら「妥当」などとは言っていられない。悔しい気持ちになるはずである。


■ 〈損害賠償目的〉ではなく〈言論抑制目的〉だから、五十分の一でもいいんだ

 オリコンは、判決で損害額を五十分の一に減額されても「妥当」と言う。誠に奇妙である。 

 百万円で「妥当」ならば、最初から百万円の損害賠償を求めればよかったのだ。
 
 オリコンは、百万円で「妥当」なのに、五千万円の損害賠償を求めた。つまり、そのような金銭的被害を受けていないのに、高額訴訟を提起したのである。(注1)
 現に、訴訟を提起した理由をオリコン社長・小池恒氏は次のように言っていた。 
 我々の真意はお金ではありません。……〔略〕……烏賀陽氏に「明らかな事実誤認に基づく誹謗中傷」があったことを認めてもらい、その部分についてのみ謝罪をして頂きたいだけです。その際には、提訴をすぐに取り下げます。
  ● 「ライター烏賀陽弘道氏への提訴」について
 
 また、『J-CAST ニュース』において、オリコンのIR担当者は次のように言う。 
 賠償金が欲しいというのではなく、これ以上の事実誤認の情報が流れないように(多額の賠償金を課すことで)抑制力を発揮させたい
  ● 雑誌にコメントしたライター 5,000万円賠償請求される
 
 オリコンは自ら〈「お金」・「賠償金」が目的ではない〉という趣旨を述べていた。〈「抑制力を発揮」させることが目的である〉とういう趣旨を述べていた。
 この事実を踏まえれば、賠償金が百万円でもオリコンが満足である理由がわかる。もともと、〈損害賠償目的〉ではなく〈言論抑制目的〉の訴訟だったのである。SLAPP(恫喝訴訟)だったのである。だから、オリコンは賠償金がいくら減額されようとかまわない。〈言論抑制〉が達成できればいいのである。


■ 〈言論抑制目的〉のオリコンの訴訟を綿引穣裁判長はどう判断したか

 つまり、オリコンは、本来の目的ではない目的で裁判所を利用しているのである。
 損害賠償を求めるのは、損害が発生しているからである。損害が無いのに、損害賠償を求めるのは裁判制度の濫用である。別の目的で訴訟を起こすことは裁判制度の濫用である。
 言い換えれば、裁判所はなめられているのである。
 このようなオリコンの言動に対して東京地裁・綿引穣裁判長はどのような判断を下しているか。 

 ……〔略〕…… 一般に、名誉毀損訴訟においては、被害額が高額に設定されるのが通常であって、請求額と容認額との間にかなりの差が生じることも稀ではない。したがって、原告が5000万円の損害賠償を求めていることをもって、本訴の提起を違法と評価することはできない。(注2)
 〔東京地裁判決 41ページ〕
 
 分かり易く言い換えてみよう。 
 名誉毀損訴訟では、ふっかけるのが当たり前なんだよ。
 だから、ふっかけてもいいんだよ。
 
 目も醒めるような暴論である。(注3)
 それでは、具体的に問おう。「一般に」高額訴訟を起こす者が、自ら〈「お金」・「賠償金」が目的ではない〉と述べたりするのか。〈「抑制力を発揮」させることが目的である〉と述べたりするのか。
 そんなことはない。
 高額訴訟を起こす者は、多くの場合、実際に高額の損害が発生したと信じているのである。また、そうではない場合も、対外的にはそう信じているふりをするのである。
 オリコンはどちらでもない。「腹黒い」意図を隠しもしないのである。
 オリコンは「腹黒い」意図を明言した特殊な企業である。(さらに、今回も、判決に対して「妥当なこと」とコメントして、〈言論抑制目的〉であったことを示してしまった。)
 
 
■ オリコンの「腹黒い」意図を全く検討しない綿引穣判決

 オリコンは特殊な企業なのである。〈言論抑制目的〉で訴訟を起こしたと明言する特殊な企業なのである。
 しかし、綿引穣裁判長の判決文には、この事実の検討が一切無い。綿引穣裁判長は〈言論抑制目的〉で損害賠償訴訟を起こすことを認めるのか。本来の目的外での訴訟を認めるのか。裁判所をなめたオリコンの言動を認めるのか。
 この事実は、既に烏賀陽弘道氏の弁護団が指摘している。当然、綿引裁判長は知っていたはずである。
 それにも関わらず、綿引穣判決にはこの事実の検討が全くない。 

 オリコン自身が〈言論抑制目的〉という意図を明言した事実がある。
 しかし、判決文では、この事実の検討が全くなされていない。
 
 誠に不思議である。
 なぜ、この事実に一言も触れずに判決文が書けるのか。
 この裁判の中心的争点は次のものである。 
 オリコンの行為はSLAPP(恫喝訴訟)か。
 裁判制度を〈言論封殺目的〉で濫用することを認めるのか。
 
 オリコンが「腹黒い」意図を明言している事実は、この中心的争点を検討するために必要不可欠である。
 しかし、綿引穣裁判長は、この事実を一切検討していない。


■ 「ぶっ殺そうと思った」と明言しても無罪?

 喩えれば次のような状態である。 

 金属バットで人を殴り殺した者が逮捕された。
 容疑者自身が次のように証言した。
 
 「ああ、ぶっ殺そうと思ったんだよ。」
 
 しかし、裁判長は無罪を言いわたす。判決文には次のようにある。
 
 「一般に、金属バットは振り回すものである。したがって、金属バットを振り回したことをもって、本件を違法と評価することはできない。」
 
 もし、このような判決を出したら、その裁判長は正気ではないと評価されるであろう。
 人に向かって金属バットを「振り回した」のである。また、本人が「ぶっ殺そうと思った」と証言したのである。「殺意」を明言しているのである。その事実を無視する判決は異常である。
 オリコン訴訟における綿引穣判決はこれと同じである。オリコンは「殺意」を明言しているのである。それを無視する判決は異常である。
 綿引穣裁判長は正気ではない。または、著しい能力不足である。
 法曹界は、このような異常な判決を認めるのであろうか。そうではないだろう。
 法曹界から、この異常な判決に厳しい批判が出ることを期待する。
 
                        諸野脇@ネット哲学者


(注1)

 まず、オリコンは、五千万円の損害が生じた証拠を全く示していない。
 『サイゾー』誌に載った一言のコメントで、どうして五千万円もの損害が発生するのだろうか。
 

(注2)

 この判決文は「一般に~。したがって~。」という形式である。
 綿引穣裁判長は、一般論をオリコンの場合に適用している。しかし、オリコンは、その一般論が適用できない特殊な例なのである。
 これは〈一般論過剰適用の虚偽〉である。
 この虚偽は次の文章で詳しく説明した。
 
  ● 東京地裁・綿引穣裁判長のSLAPP(恫喝訴訟)容認論の虚偽
 
 
(注3)

 オリコンは、一個人に対して五千万円もの高額損害賠償を求めた。「被害額が高額に設定される」こと自体が〈言論抑制〉効果を生む。この当たり前の原理が、綿引穣裁判長には分からないらしい。


2008年06月27日

山崎孝明 区長は、江東区役所のお役所仕事を改善できるか

〔追記 8月14日〕

 山崎孝明区長は、江東区役所のお役所仕事を改善できたか。
 改善できなかった。

 押田文子広報広聴課長から次のような手紙が届いたのである。 

 「区長へのメール」については、別紙1「区長への手紙の取扱いに関する要綱」の第3条(アンダーラインを引いてあるところです)に基づき実施しております。
 
 江東区の「要綱」など、どうでもいいのである。(苦笑)
 下の7月31日付の追記で、私は江東区の対応への不安を述べた。「担当課の上のレベルから指導」の必要性を述べた。
 普通ならば、相手の不安に応えようとするはずである。
 しかし、押田文子広報広聴課長は、それに一切応えず、次のように言ったのである。 
 江東区が決めた規則に従って、行動しています。
 
 相手の不安に一言も触れず、江東区の都合だけを述べたのである。
 正に、お役所仕事である。


〔追記 7月31日〕

 下の追記(7月7日付)の内容を「区長へのメール」に送った。
 すると、担当課長から「お詫びにお伺いしたい」との電話があった。
 しかし、会って大丈夫なのだろうか。(苦笑)
 今まで、お役所仕事を何度も繰り返してきたのである。今回だけが大丈夫であるとは信じがたい。我が家に来ても、またお役所仕事を繰り返すのではないか。とても不安である。
 通常、このような場合は、次のような対応をする。
 区長室長のような肩書きの人物から連絡がある。
 
 「ご指摘の事実を確認させていただきました。確かに、お役所仕事と言うしかない非常識な対応でした。ご迷惑をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。担当課を厳しく指導しておきました。」
 
 担当課の上のレベルから指導が入るのである。そして、その事実を相手に伝えるのである。このような形式ならば、私も比較的安心できる。〈今までの対応とは違うのだろう〉と期待できる。
 現在の形式では、お会いするのは不安である。
 また、「区長へのメール」を出したのに、担当課が返事をするのは筋が違う。区長(または区長の代理人)が返事をするのが筋であろう。
 実は、「区長へのメール」にはシステム上の問題がある。詳しくは、次の文章をご覧いただきたい。
 
 ● あなたの区では「区長へのメール」が区長に届いていますか?(苦笑)
 
 しかし、これは今までになかった対応である。「お詫びにお伺いしたい」と積極的に問題を解決しようとしているのである。この対応は率直に評価したい。
 山崎孝明区長は、江東区役所のお役所仕事を改善できたか。ある程度、改善できたのであろう。連絡が無いため想像するしかない。それが大きな問題なのであるが。(苦笑)


〔追記 7月7日〕

 山崎孝明区長は、江東区役所のお役所仕事を改善できたか。
 改善できなかった。

 一昨日、杉本健一課長からの手紙が届いた。次のような文言があった。
 
  「私の返事がなかったとのことで誠に申し訳ありませんでした。」
 
 なんと、これだけなのである。(苦笑)
 しかし、これだけでは済まないはずである。
 これは、「宿題をやらずに申し訳ありませんでした」と言うだけで宿題をやらないようなものである。「申し訳」ないと思ったら、その時に書くべきだった「返事」を今回の手紙で書くべきである。その時に書くべきだった謝罪(ないし反論)を今回の手紙で書くべきである。
 それを一言で済ましてしまっているのである。正にお役所仕事である。
 つまり、〈お役所仕事を止めよ〉という趣旨のメールに対して、お役所仕事をし続けているのである。
 「区長へのメール」で山崎孝明江東区長に直接訴えても何の変化もなかった。山崎孝明江東区長は、江東区役所のお役所仕事を改善できなかった。
 残念である。
 こちらとしては、後は、予告したことを粛々とおこなっていくまでである。
 

〔区長へのメール〕

江東区長 山崎孝明 様

 先日は、お手紙をいただき、ありがとうございました。
 一区民の要請に応じて、区長自らが手紙を出すというのは異例のことでしょう。
 もちろん、お手紙の内容には異論があります。しかし、意見の違いを越えて、山崎孝明区長の行為には敬意を表します。公権力を行使する責任者が、公権力を行使する理由を明示する姿勢には敬意を表します。
 
 しかし、不思議なことがあります。山崎孝明区長のお手紙は、江東区役所がお役所仕事で私に迷惑をかけていることに一言も触れていないのです。
 私は次の文章でお役所仕事の悪さを批判しました。
 
  ● 江東区役所にはサービス精神とペンが無い
   http://shonowaki.com/2008/04/post_36.html
 
 また、担当課にも再三お役所仕事を止めるように申し入れをしました。
 しかし、いまだにお役所仕事が改善されないのです。
 
 これは誠に不思議なことです。山崎孝明区長は、区民の意見に耳を傾ける姿勢がある方のようです。それなのに、私のお役所仕事批判に一言も応えない。また、お役所仕事自体も全く改善されない。不思議です。
 
 もしかしたら、江東区役所のお役所仕事の実態を山崎孝明区長はご存じないのかもしれません。つまり、杉本健一課長から、情報が山崎孝明区長に上がっていないのかもしれません。
 それならば分かります。この場合も、もちろん、山崎孝明江東区長には管理責任はあるでしょう。しかし、役所は大きな組織です。なかなか変えるのは難しいものです。私も、直接、江東区役所とやり取りして実感しました。実態が分かった時に、変えていけばよいのです。
 
 上のように考えましたので、この手紙は担当課を通してではなく、ホームページの「区長へのメール」からお送りさせていただきます。
 
 どうぞ、今までの経緯をご確認いただき、適切な対応をしていただけるようお願いいたします。
            
                                     2008.6.27.
                                          諸野脇 正
                    
〔補〕

 この文章は実験の文章です。政治家が、お役所のひどい対応を変えられるかどうかの実験です。
 なぜ、役人はお役所仕事を繰り返すのでしょうか。役人は、評価にさらされていないからです。区民に対してお役所仕事を繰り返しても、彼らは損をしないのです。言い換えれば、区民に向き合うインセンティブがないのです。ですから、担当課に何度言っても、対応が改善されないのです。
 しかし、政治家は役人とは違います。政治家は評価にさらされるからです。政治家には選挙があるのです。区民に向き合うインセンティブがあるのです。
 ですから、役人自身では解決できない問題も、政治家ならば解決できるはずなのです。山崎孝明江東区長に期待します。
 
 なお、対応が改善されたかどうかは「追記」で報告します。

2008年06月30日

あなたの区では「区長へのメール」が区長に届いていますか?(苦笑)

 山崎孝明江東区長にメールを送ろうとした。江東区のホームページの「区長へのメール」コーナーからである。
 次のような内容である。
 
  ● 山崎孝明 区長は、江東区役所のお役所仕事を改善できるか


 しかし、「区長へのメール」の説明には驚くべき事実が書いてあった。  

 (2)ご意見等の内容に応じて、広報広聴課から担当する所管課に送付いたします。

 「区長へのメール」が区長に届かないのである。「担当する所管課」に送られてしまうのである。そして、「処理内容」が「区長決裁文章」になるだけなのである。(注1) 
 江東区役所の「区長へのメール」は区長に届かない。
 これでは「区長へのメール」ではない。
 
 仕方がないので、担当者にメールを送った。
広聴担当者 様

 「区長へのメール」は、通常は担当課に回されるようです。
 しかし、先のメール(公開書簡も含む)は、早急に区長に直接お渡しください。
 次の理由によります。
 
 1 このメールは担当課の対応の改善を区長に求めるメールです。ですから、担当課に回されては意味がありません。
 2 既に、公開書簡は広く知られる文章になっています。グーグルで「山崎孝明」を検索すると4番目にこの文章が出てきます。
 http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rls=GGLD,GGLD:2005-15,GGLD:ja&q=%e5%b1%b1%e5%b4%8e%e5%ad%9d%e6%98%8e
 
 既に、区長の対応が必要な状態になっているのです。
 そして、広報広聴課が何もしなくても、山崎孝明区長はお気づきになるでしょう。
 早急に区長にお伝えください。(注2)


 「区長へのメール」が区長に届くようにするために努力が必要なのである。何かがおかしい。(苦笑)
 他の自治体はどうなっているのか。
 横浜市のホームページを見る。 
Q5:
「市民からの提案」や「市長陳情」は本当に市長が見ているのですか?
A5:
「市民からの提案」や「市長陳情」は、すべてデータベース化されており、市長はパソコンから常時、閲覧できます。……〔略〕……
 http://www.city.yokohama.jp/me/shimin/kouchou/qa.html#a5

 「すべてデータベース化されており、市長はパソコンから常時、閲覧できます」とある。(注3)
 市長が、「すべて」の「市民からの提案」・「市長陳情」を直接読むことが出来るのである。「市長陳情」を市長が読むことが出来る。当たり前のことである。
 もちろん、この方がよい。
 あなたの自治体のシステムは、どうなっているだろうか。 
 「区長へのメール」・「市長へのメール」を首長が直接読むことが可能なシステムになっているだろうか。
 
 ホームページから「区長へのメール」・「市長へのメール」などの名目でメールを受けつけることは簡単である。そのようなコーナーがあれば、〈開かれた自治体である〉という印象を住民に与えることが出来る。
 しかし、それは格好をつけただけに過ぎない。問題は中身である。そのメールをどのように扱うかである。
 
                       諸野脇@ネット哲学者 
 

〔追記 7月31日〕

 広聴広報課長から次のような手紙をいただいた。

 広報広聴課では、いただいたご意見(原文)と該当所管部署の回答を印刷し、月2回区長までの決裁を取っております。
 したがいまして、区長はいただいたご意見と、それに対する回答全てに目を通しております。
 
 区長が「全てに目を通して」いるのはよいことである。
 しかし、疑問がある。
 私の「区長へのメール」はどう扱われたのか。
 広報広聴課には、理由を述べて〈担当課ではなく、区長に直接渡して欲しい〉という趣旨を伝えた。広報広聴課は、私のメールを区長に直接渡したのか。渡さなかったのか。それが全く分からないのである。(当然、広報広聴課長は、手紙でそれを説明するべきであった。)
 この状態では、私は不安である。
 言い換えれば、次の二点が問題である。
 1 区長が「区長へのメール」を担当課が対応した後に見るシステムになっている。
 2 区長がどれほどの熱意で「区長へのメール」を見ているのかが分からない。

 「区長へのメール」と書いてあれば、多くの人は、そのメールが区長に直接届くことを想定する。区長がメールを読んで担当課に指示を出すシステムを想定する。しかし、江東区の「区長へのメール」はそのようなシステムになっていない。区長は、対応が終わった後に、結果を確認するだけのようである。(格好をつけずに「区役所へのメール」と名前を変えた方がよいのではないか。)
 やはり「『区長へのメール』は区長に届かない」のである。「区長へのメール」として送ったメールは、担当課に届いてしまうのである。
 だから、江東区の「区長へのメール」は、苦情を解決するシステムにはなっていない。苦情を訴えても、原則として、問題を起こした課に対応が任されるのである。区長(または区長室のような組織)が問題を起こした課を指導するシステムになっていないのである。
 独立した他者が担当課の対応を正すシステムが必要である。


(注1)

 念のため書く。
 江東区の「広聴」は比較的よい方なのである。
 次の文章で、そのよさを書いた。
 
  ● 欠点を自ら情報公開! 江東区役所はすばらしい!(苦笑)
     

 実は、「区長へのメール」がどのように扱われるのかを明確に説明しているのもよい。他の自治体と比較するとよい。
 どのように扱われるのかすら分からない自治体も多いのである。
 
 
(注2)

 このメールを受け取ったのは、広聴広報課のどなたなのか。
 受け取った方のお名前をお伝えいただけるようにお願いした。
 しかし、お返事がない。(苦笑)
 ご連絡、いただきたい。
 

(注3)

 横浜市の「広聴」はすごい。
 
  ● 「市民の声」の公表
  
 実に具体的な「投稿」と「回答」のやり取りが公開されている。さまざまな分野のやり取りが公開されている。
 中田宏市長が「すべて」の「市民からの提案」を「常時、閲覧」できるシステムが有効に機能しているのであろう。

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