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2009年08月 アーカイブ

2009年08月05日

【オリコン訴訟】烏賀陽弘道氏の勝訴で終結 ――オリコン(小池恒社長)が自爆せざるを得なかった理由

 オリコンが自爆した。
 「請求の放棄」をおこなったのだ。「請求の放棄」とは自ら全面敗訴を認めることである。(注1)
 これは奇っ怪な事態である。オリコンは、烏賀陽弘道氏に対して一審で勝訴していた。名誉毀損を認められていた。賠償金100万円を認められていた。
 それにもかかわらず、オリコンは自ら全面敗訴を認めて、訴訟を終わらせた。言わば、オリコンは自爆したのである。
 
   1 オリコンは烏賀陽弘道氏に対して東京地裁で勝訴した。
   2 しかし、オリコンは全面敗訴を認めて訴訟を終わらせた。

  
 通常、一審で勝訴した方は二審でも有利である。有利なはずのオリコンが全面敗訴を認めて、訴訟を終わらせる。これは普通あり得ない行為である。歴史に残るみっともない負け方である。
 なぜ、このような奇っ怪な事態が起きたのか。なぜ、オリコンは自爆せざるを得なかったのか。
 それは、オリコンは烏賀陽弘道氏個人を訴えていたからである。SLAPP(恫喝訴訟)をおこなっていたからである。「腹黒い」行為をおこなっていたからである。
 既に、私は次のように書いていた。


 その「腹黒い」行為がオリコンに返ってくる可能性がある。個人だけを訴えたことが裏目に出る可能性がある。
 先に説明した烏賀陽氏側の新しい主張を思い出していただきたい。 
 そもそも烏賀陽弘道氏はそのような内容を発言していない。
 
 この主張が認められれば、次のような結論が出る。 
 烏賀陽氏は発言していない。発言していないことを名誉毀損には問えない。
 だから、オリコンの負け。
 
 この主張が見事に決まると、オリコンにとっては最悪の結果になる。
 責任を取らせる相手がいなくなってしまうのである。次の事実に注目していただきたい。 
 仮にインフォーバーン社に名誉毀損の責任があったとしても、オリコンはインフォバーン社に責任を取らせることが出来ない。訴えていないのだから。
 手も足も出ないのである。
 
 仮に雑誌『サイゾー』に載った「コメント」がオリコンの名誉を毀損するものだったとする。その場合、烏賀陽氏が「発言していない」ならば、責任があるのは『サイゾー』編集部・インフォバーン社である。誰かがその「コメント」を作ったのは間違いないのである。
 しかし、オリコンは、インフォバーン社に責任を取らせることが出来ない。訴えていないのだから。
 普通に名誉毀損訴訟を起こしておけば、そのような状態にはならない。インフォバーン社も訴えておけば、そのような状態にはならない。しかし、個人だけを狙い撃ちにしたために、何も出来なくなってしまう。無様に負けてしまう。
 自分で掘った穴に自分で落ちたのである。
 SLAPPが裏目にでたのである。自業自得である。

   ● 【オリコン訴訟】オリコンは、自分が掘った穴に落ちる(かも)  --SLAPPが裏目に!


 オリコンが自爆せざるを得なかったのは、正にこの形になってしまったからである。
 烏賀陽氏側の主張が見事に決まったのである。烏賀陽弘道氏が「そのような内容を発言していない」ことが明らかになったのである。『サイゾー』編集部員が烏賀陽弘道氏が「そのような内容を発言していない」事実を証言したのである。編集部員がまとめた「コメントが不正確なもの」であることを認めたのである。(注2)
 これで、オリコンは「自分が掘った穴に落ち」てしまった。
 烏賀陽弘道氏が「そのような内容を発言していな」ければ、烏賀陽弘道氏に責任を取らせることは出来ない。また、訴えていない他の関係者に裁判において責任を取らせることも出来ない。
 だから、オリコンは、「請求の放棄」をおこなわざるを得なくなったのである。自ら全面敗訴を認めざるを得なくなったのである。自爆せざるを得なくなったのである。
 オリコンはSLAPPをおこなったゆえに無様に負けたのである。

                     諸野脇@ネット哲学者

(注1)

 「請求放棄」については次のページを参照のこと。
 
   ● 裁判所が判決を出さなくても勝訴できるんですね! オリコンの「自己敗訴宣言」=「請求放棄」   
   ● 請求の放棄と訴えの取り下げについての質問です。

(注2)

 例えば、朝日新聞の次の記事を参照のこと。
 『サイゾー』が、自らまとめた「コメント」が「不正確」だったことを認めている。

   ● オリコンが請求放棄、和解 コメント巡る名誉棄損訴訟

2009年08月13日

【オリコン訴訟】オリコン・小池恒社長は烏賀陽弘道氏に謝罪するべきである

 オリコンは自ら全面敗訴を認めた。
 以下の文章で詳しく説明した。
 
   ● 【オリコン訴訟】烏賀陽弘道氏の勝訴で終結 ――オリコン(小池恒社長)が自爆せざるを得なかった理由
   
 つまり、オリコンは、自分が間違っていたことを認めた。烏賀陽弘道(うがや ひろみち)氏を訴えたのが間違いであったことを認めた。
 しかし、大きな問題がある。オリコンは謝罪していないのである。間違いを認めたら、謝罪する。それが普通である。その普通の行為をオリコンはしていないのである。
 「裁判上の和解」で、オリコンは全く謝罪していない。(注1)
 おおむね次の関係である。 

 オリコン君はサイゾー君から「烏賀陽君がオリコン君の悪口を言った」と聞いた。
 オリコン君は烏賀陽君を呼び出して、殴り倒した。
 その後、サイゾー君の言った内容が不正確であることが分かった。烏賀陽君がそんなことを言っていないことが分かった。
 サイゾー君は烏賀陽君とオリコン君に謝罪した。
 オリコン君は自分が間違って烏賀陽君を殴ったことを認めた。
 
 「オリコン君」は「烏賀陽君」に謝罪していない。これは不当な状態である。「烏賀陽君」を殴った「オリコン君」は謝罪するべきである。
 オリコンは間違って烏賀陽氏を「殴った」のだ。そして、それを自ら認めているのだ。当然、オリコンは謝罪するべきである。(また、怪我の治療費などを払うべきである。)
 烏賀陽弘道氏は言う。
 私の収入は、2005年には500万円あったのに、2007年・2008年の2年間だけで約650万円減り、生活が出来ない状態にまで追い込まれました。09年分や弁護士費用分を含めると、オリコンの提訴で被った被害金額は1000万円に近づくでしょう。弁護士費用を捻出するため、私は故郷の老母の介護資金に貯めておいた定期預金を解約せざるをえませんでした。
 
 心身ともに疲弊は極限に近い。不眠、激しい頭痛、目まい、嘔吐などの症状が悪化しています。
  〔2009年8月4日 記者会見ステートメント、7ページ〕
 
 これがオリコンが烏賀陽弘道氏を「殴った」結果である。
 「被害金額1000万円」である。
 「心身とも疲弊は極限に近い」のである。
 間違って「殴った」ことをオリコンは認めた。それならば、「治療費」を出すべきである。この被害を補償するべきである。
 少なくとも、謝罪はくらいはするべきである。
 確認しよう。
 
   1 オリコンは、間違って烏賀陽弘道氏を「殴った」ことを認めた。
   2 しかし、「治療費」の支払いはおろか、謝罪さえしない。

 
 これは普通の感覚ではない。
 間違って相手を「殴った」ことを認めたら、普通は謝罪する。間違いを認めることと謝罪することはセットである。しかし、オリコン・小池恒社長は間違いを認めただけで済むと考えているようである。後は沈黙していれば済むと考えているようである。
 
   オリコン・小池恒社長は、かなり異常な感覚を持っているようである。
 
 オリコン・小池恒社長のこの沈黙は大きな問題である。(注2)
 仮に、間違いを認めていないのならば、原理的には謝罪する必要はない。「見解の相違である。」などと言い続ければいいのである。
 しかし、これは、そのような普通の形の問題ではない。異常な形の問題なのである。オリコン・小池恒社長は間違えを認めながら、謝罪しない。これは誠に異常な形である。
 オリコン・小池恒社長は、異常な行為を続けている。間違いを認めたのに、謝罪すらしない。33ヵ月のもの間、間違って人を苦しめたのに謝罪すらしないのである。
 
   オリコン・小池恒社長が謝罪するまで、いつまでも批判が続くであろう。
  
 このような異常な行為を社会は認めないであろう。
 ジャーナリストは、このような異常な行為を認めないであろう。
 ブロガーは、このような異常な行為を認めないであろう。
 謝罪がおこなわれるまで、いつまでも批判が続くであろう。
 オリコン・小池恒社長は、自分の行為の異常性に気づくべきである。
 
                      諸野脇@ネット哲学者

 
(注1)

 高等裁判所による「職権和解」の内容は次の通りである。
 
   ● 裁判上の和解
    
 オリコン側が全く謝罪していないことをご確認いただきたい。
 和解協議でオリコン側は謝罪を拒否したのである。謝罪から「逃げ回」ったのである。
 その様子は、烏賀陽弘道氏の次の文章をご覧いただきたい。

   ● 「和解」という名の建物の中で自決してしまったオリコン
    
 間違ったら、謝罪する。その当たり前のことをどうしてしないのか。
 誠に不当である。


(注2)

 「裁判上の和解」で謝罪しなくても、プレスリリース等で謝罪する方法がある。
 道義的な責任を果たす方法がある。
 オリコンのプレスリリースを見てみよう。
 
   ● 和解による訴訟の解決に関するお知らせ(2009-08-03)
 
 全くだめである。
 烏賀陽弘道氏に対する謝罪が一言もない。
 オリコン・小池恒社長は道義的な責任も果たしていない。
 

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