なぜ、欧米ではインターネット選挙が実現しているのか
それでは、なぜ、欧米ではインターネット選挙が実現しているのか。
欧米諸国にも、インターネットの利用を規定する法律など無かった。法律を作った時には、インターネットなど無かったのだから。
この点では、日本と欧米諸国とは同じである。
しかし、現実のインターネット利用では大きな差がついている。
日本では選挙活動にインターネットが利用されていない。(ごく一部の例外を除いて。)それに対して、欧米では選挙活動にインターネットが利用されている。米国でも、英国でも、ドイツでも、フランスでも、ほとんど自由にインターネットが利用されている。
それはなぜか。
人々の行動が違うからである。関係者の行動が違うからである。
欧米では、規定がなければ、候補者が勝手にインターネットの利用を始める。また、市民も勝手に利用を始める。選管が「法律に觝触する。」と言っても、彼らは利用を止めない。インターネットについての規定はないのだから。
その現状に合わせて、選管も行動を選ぶ。「法律に抵触する。」と言っても、誰も従わないのである。言っても、恥をかくだけである。だから、そんなことは言わない。
インターネット利用を認めるしかないのである。
こうして、インターネットを選挙で利用できる世界が出来あがる。
世界が、別の一点で「安定」したのである。
それは、候補者の行動が違うからである。市民の行動が違うからである。選管の行動が違うからである。
世界とは、関係者が影響を与え合い安定した一点である。だから、関係者の行動が違えば、当然、それに応じて別の世界が現れる。別の一点で世界は「安定」する。 欧米諸国では、自由にインターネットを利用できる一点で世界が「安定」した。 日本では、インターネットを利用できない一点で世界が「安定」した。 日本と欧米とは全く違う世界になったのである。
この違いの原因を法律の違いに求める考えがある。
しかし、それは間違いである。
原因は人々の行動の違いである。人々の行動が違ったため、別の世界が現れたのである。世界が別の一点で「安定」したのである。関係者が影響を及ぼし合い、そのような世界を作っているのである。