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2011年10月 アーカイブ

2011年10月05日

「節電」批判 ――原発を全て止めても電気は足りている

 電気が足りないのはピーク時の数時間だけである。だから、必要なのはピーク時の電力使用を抑えることである。「ピークシフト」である。
 それを「節電」と考えると間違った行動をしてしまう。電気が余っている夜に街灯を消したりしてしまう。
 また、ピーク時の電力使用量に合わせて発電所を整備してきたため、平常時を基準にすれば発電所は余っている。原発を全て止めても何の問題も無い。
 以下の連続ツイートで詳しく論じた。
 

諸野脇 正 の Twitter

「節電」で死者が出た。http://bit.ly/pVWwRC 道が暗くて追突事故が起きたのである。なぜ電気が余っている深夜に街灯を消すのか。我々は「節電」という語に騙されているのである。「節電」だと思うから深夜に街灯を消してしまう。必要なのは「節電」ではない。

我々は「節電」という語に騙されている。電力が余っている深夜に街灯を消して、死者まで出した。http://bit.ly/pVWwRC必要なのは「節電」ではなく「ピークシフト」である。夏の電力需要のピークを平準化することである。http://bit.ly/hEJ2PH

東京電力は5月に配布したプリントで言う。「今後も電気のご使用をお控えいただき、より一層の節電にご協力をお願い申し上げます」 電気の使用を控える「節電」を求めている。しかし、必要なのは「ピークシフト」である。夏の数日間の電力需要のピークを抑えればいいだけなのである。

東京電力は5月に配布したプリントで言う。「今後も電気のご使用をお控えいただき、より一層の節電にご協力をお願い申し上げます」 東電は、全面的な「節電」を求めている。しかし、必要なのは「ピークシフト」である。真夏の数日間の電力需要のピークを抑えればいいだけなのである。

必要なのは「節電」ではなく「ピークシフト」である。http://bit.ly/hEJ2PH 例えば「氷蓄熱空調システム」である。電力が余っている夜間に氷を作り、それを冷房に利用するのである。このような発想は「節電」からは出てこない。

夏のピーク時、家庭ではエアコンと冷蔵庫で電力の約7割を使っている。つまり、エアコンと冷蔵庫をピーク時の数時間止めれば効果大。これは「氷蓄熱システム」の方法で可能。夜間にペットボトルに氷を作っておく。氷と扇風機で冷房。氷を冷蔵庫に入れておけば電源を切っても大丈夫。

エアコンと冷蔵庫で電力の約7割を使っているのだから、エアコンと冷蔵庫の電源を切れれば効果が大きい。これはペットボトルを使った簡易「氷蓄熱システム」で可能。夜間に作った氷を昼間のピーク時に使うのである。このような発想は「節電」からは出てこない。

「ピークシフト」として効果的なのは、夜間にペットボトルで氷を作り、それを利用してエアコンと冷蔵庫をピーク時に数時間止めること。しかし、そんな面倒なことを多くの人はしないだろう。しかし、ピーク時の電気料金が十倍だったらどうか。面倒なことでもおこなうようになるだろう。

ピーク時の電力料金を数倍するだけで、多くの人が「ピークシフト」の工夫を始める。ピーク時に電気を使わないように工夫を始める。すると電力不足など無くなってしまう。つまり、今回の電力危機は「偽の電力危機」である。価格システムが硬直的なため問題が発生しているだけである。

発電能力は余っている。日本は、ピーク時と閑散時の電気料金が同じという硬直的価格システムの元で発電所を作ってきた。ピーク時を乗り切るための大量の発電所がある。原発が全部動かなくても、発電能力的には問題はない。価格システムを変えればいいだけである。

原発が全て止まっても問題ない。発電能力は元々余っている。電力会社は、最大需要を満たすことが出来る大量の発電所を作った。だから、普段は発電能力は大量に余っている。あとは「ピークシフト」で、夏のピーク期間の数時間を乗り切ればいい。

原発が止まっても問題はない。水力と火力で最大需要量を満たせるのである。http://bit.ly/pcUL5O この小出裕章氏作成のグラフは政府の統計を元に作られている。政府の統計が、原発が止まっても問題ないことを示している。

電力料金の硬直性が「偽の電力危機」を引き起こす。ホテル料金を年間を通じて一定にしたらどうなるか。例えば、5千円にしたらどうなるか。繁忙期にホテルが足りなくなる。「ホテル危機」が起こる。「偽の電力危機」はこれと同様の事態である。

常時5千円という料金を元に、ホテルを建設するとどうなるか。繁忙期の「ホテル危機」に対応するためにホテルだらけになる。同様に、日本は発電所だらけなのである。一定の電力料金を元に、ピーク時の需要を満たす発電所を作ったからである。

「偽の電力危機」は、ピーク時の電力料金を上げて「ピークシフト」を促すことによって解決できる。これは必ずしも電力料金の値上げを意味しない。閑散時の料金を下げて、年間トータルで今と同じ料金になるようにすればいいのである。

日本は発電所だらけになっている。一定の料金を元に、ピーク時の需要を満たす発電所を作ったからである。さらに発電所を増やすインセンティブがある。電力会社の利潤は資産に報酬率をかけて決まるのだ。これは発電所(資産)を増やしたくなる。

電力会社は「原発を造れば造るほど儲かる」(『原発のウソ』)と小出裕章氏は言う。利潤が「資産の何%」という形で決まるからである。「原発は建設費が膨大で、1基造ると5000億」もかかる。原発を造れば、簡単に資産を増やせる。儲かる。

「節電」で人が死んでいる。http://bit.ly/nuNAjU http://bit.ly/pVWwRC 何人死んだら、必要なのは「節電」ではなく「ピークシフト」だと気がつくのか。「節電」と考えると行動を間違う。人が死ぬ。

「節電」ではなく「ピークシフト」と考えることで、重要な事実に気がつく。夜に街灯を消す必要は無い。「ピークシフト」を促すためにはピーク時の電気価格を上げればよい。価格を一定にしたため発電所が大量に作られた。既に詳しく論じた通り。
                           (7月9日~14日)
                 http://twilog.org/shonowaki/date-110709/asc

 
 「節電」ではなく、「ピークシフト」を行なえばよい。
 自動車メーカーが電力需要が多い木金を休みにし、土日に操業した。これは「ピークシフト」である。
 
   ● 土日稼働、木金休みを発表 自工会、全国の工場で
 
 「ピークシフト」によって、ピーク時の電力需要を抑えることが出来た。
 東京電力管内の原発は止まっていた。しかし、何の問題も無かった。実質的に電力は不足していなかった。
 やはり、「偽の電力危機」であったのだ。

                    諸野脇@インターネット哲学者


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