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2008年12月 アーカイブ

2008年12月03日

リンクに許可は不要である

 「リンクに許可・許諾が必要である」という間違った考えがある。
 その間違った考えを次の文章で批判した。(以前メールマガジン『インターネット哲学』で発表した文章をホームページにアップしたものである。)

  ● リンクに許可は必要か
 
 「リンクに許可・許諾が必要」になれば、インターネット上のリンクの総数が減る。リンクはインターネットの中核である。〈リンク許可制〉は、その中核であるリンクを減らす。つまり、インターネット社会の発展を阻害する。
 インターネット社会のグランドデザインを考える上で重要な文章である。
 ぜひ、お読みいただきたい。
 以下、この文章の主要な主張をまとめておく。 

 1 ホームページは多くの人に読んでもらうために公開するものである。公開する行為自体から、リンクに同意していると判断できる。だから、無断でリンクを張ればよい。
 2 許可を得るのには労力がいる。リンクを張る方、張られる方の両方に負担がかかる。〈リンク許可制〉になった場合、インターネット社会全体で無駄な労力を使うことになる。
 3 そのような負担がかかるならば、「リンクは張りたくない」と思うのが人情である。許可を得ることがマナーになったら、リンクの数が減る。インターネットの中核はリンクである。つまり、〈リンク許可制〉はインターネット社会の発展を阻害する。だから、インターネット社会のグランドデザインとして〈リンク許可制〉は不適切である。
 4 「リンク禁止」と表示しているホームページもある。このような場合、私は「アホか。」と思う。ホームページを見てもらいたいのか。見てもらいたくないのか。どちらなのか。奇妙な行為である。
 5 「リンク禁止」は確かに奇妙な行為である。しかし、それが本人の〈意向〉ならば、尊重するという大人の対応もあり得る。
 6 しかし、それはあくまで〈意向〉を尊重してもらったに過ぎない。リンクを禁止する〈権利〉がある訳ではない。〈意向〉と〈権利〉とを区別しよう。
 7 〈意向〉を尊重できない場合がある。悪徳商法のホームページにリンクを張り、その悪さを指摘する場合などである。
 8 だから、リンクするかどうかは自分で決めてよい。ほとんどの場合、「リンク禁止」は「アホらしい」ものである。だから、「無視して、どんどんリンクを張ろう。」と思っても大きな問題はない。

 詳しくは上の文章をお読みいただきたい。
 とてつもなく詳しく書いてある。(笑)
 
 念のため書く。
 上の文章は、西原理恵子氏にケンカを売る文章ではない。(苦笑)
 よく読むと、分かっていただけるはずである。

                     諸野脇@ネット哲学者

2008年12月05日

リンクを張らないニュースサイトは役に立たない --東方神起「呪文」は「扇情的」か

 東方神起の「呪文-MIROTIC-」が韓国で有害指定された。
 歌詞が「扇情的」だというのである。

東方神起のヒット曲「呪文」を有害指定 「歌詞が扇情的」
 
 【ソウル西脇真一】韓国保健福祉家族省は4日、日本でも人気の韓国の若手男性グループ「東方神起(とうほうしんき)」のヒット曲「呪文-MIROTIC-」について、「歌詞が扇情的で、子どもが歌うには不適切」として有害指定し、19歳未満への販売禁止措置を取った。同省は歌詞の特定部分でなく、全体が問題だとしている。東方神起は大みそかの第59回NHK紅白歌合戦への初出場が決定。この曲は日本でも10月15日に日本語版が発売されている。

 同省によると、販売禁止のほか、平日の午後1~10時と、週末の午前10時~午後10時の間、テレビ・ラジオでの放送ができなくなる。
 http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20081204dde041200069000c.html


 この毎日jpの記事を読むと疑問が浮かぶ。
 「呪文」の歌詞はどのようなものなのか。それは、本当に「扇情的」なのか。
 なぜ、毎日jpは「呪文」の歌詞を示さないのだろうか。
 ヤフーを見てみる。
 
   http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/south_korea_entertainment/?1228365770

 きちんと「呪文」の歌詞にリンクが張ってある。
 引用しよう。
 

 変わってく 溺れてく 君はもう 抜け出せない
 I got you- Under my skin
 壊れてく 溺れてく 君はもう 僕のもの
 I got you- Under my skin
  ● 歌ネット
   http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=71756

 これは「扇情的」か。取り立てて「扇情的」ではない。(注1)
 分かる人は分かり、分からない人は分からない歌詞である。遠回しな歌詞なのである。
 これを聞いて、性的に興奮させられたとすれば、その人はどうかしている。よほどうぶな人なのであろう。日本には、もっとすごい歌詞がたくさんある。(笑)
 
 ヤフーのおかげで「呪文」の歌詞が分かった。「扇情的」かどうかの判断が出来た。
 それにしても、なぜ、毎日jpは歌詞にリンクを張らなかったのか。(注2)
 リンクを張っていなければ、読者は判断ができない。「扇情的」かどうかの判断が出来ない。
 毎日jpは新聞社が運営するニュースサイトである。オールドメディアである。感覚が古いのである。
 それに対して、ヤフーはニューメディアである。感覚が新しいのである。 
 オールドメディアはリンクを張らない。
 ニューメディアはリンクを張る。
 
 オールドメディアは、〈読者は自分で判断を下すものである〉という発想がない。その自主的な判断をサポートする姿勢がない。〈メディアが下した判断を読者が受けとる〉という発想である。
 それに対して、ニューメディアには〈読者は自分で判断を下すものである〉という発想がある。リンクを張り、読者の自主的な判断をサポートする姿勢がある。
 リンクに対する姿勢は、メディアの性質を判断する基準になる。 
 リンクを張っているならば、そのメディアは新しい。
 リンクを張っていないならば、そのメディアは古い。
 
 そのメディアは新しいだろうか。それとも古いだろうか。
 リンクの扱いを見れば、それが分かる。
 
                     諸野脇@ネット哲学者


(注1)

 日本語バージョンの歌詞と韓国語バージョンの歌詞が違っているようである。
 韓国語バージョンは次の通りである。 

 お前は俺を望んで お前は俺に溺れ お前は俺に狂い 抜け出すことができない
 I got you Under my skin
 お前は俺を望んで お前は俺に溺れ お前は俺に狂い お前は俺の奴隷
 I got you Under my skin
  ● 韓国音楽歌詞サイト
   http://luvrabi.blog113.fc2.com/blog-entry-338.html
 
 どちらにしろ遠回しである。たいして「扇情的」ではない。(笑)
 ヤフーは、こちらにリンクを張った方がよかった。問題になっているのは韓国語バージョンの歌詞なのである。
 もしかしたら、韓国語バージョンの歌詞にリンクを張ったメジャーなサイトはないかもしれない。
 私が初リンク?(苦笑)
 恐ろしいことである。
 

(注2)

 もしかしたら、「リンクには許可が必要」とか「リンクは人のコンテンツを盗む行為」とか間違ったことを考えているのかもしれない。
 そういう方にお勧めの文章がある。
 
  ● リンクに許可は不要である
   http://shonowaki.com/2008/12/post_53.html

 ぜひ、この文章を読んで、考えを根本から変えてもらいたい。


【リンク集】

 意地で、この問題についてのリンク集を作ってみた。(笑)
 
 歌詞

  http://www.uta-net.com/user/phplib/Link.php?ID=71756
  http://luvrabi.blog113.fc2.com/blog-entry-338.html
 
 ニュース
 
  http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20081204dde041200069000c.html
  http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/entertainment/south_korea_entertainment/?1228365770
  http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008120400416
  http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120401000421.html
  http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20081204-OYT1T00060.htm?from=navr
  
  http://www.recordchina.co.jp/group/g26384.html
  http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=108216&servcode=700§code=720
  http://www.chosunonline.com/article/20081203000036

  http://news.google.co.jp/nwshp?gl=jp&ncl=1257654342&hl=ja&topic=e

2008年12月06日

ニュースサイトは記事を削除するな

 私は、次の文章でニュースサイトを批判した。
 
  ● リンクを張らないニュースサイトは役に立たない 
         --東方神起「呪文」は「扇情的」か
         
 〈「呪文」の歌詞にリンクを張らなければ「扇情的」かどうか判断できない〉という趣旨の批判をした。ニュースサイトに対して、外部のサイトにリンクを張るように要求したのである。
 しかし、これは高すぎる要求だったかもしれない。
 現状では、ニュースサイトはもっと程度が低いのである。 

 ニュースサイトは記事を削除してしまう。

 ニュースサイトは公開した記事を削除してしまうのである。しばらくすると、一度公開した記事を削除してしまうのである。これは大きな問題である。
 公開された記事には多くのリンクが張られる。ブログなどからリンクが張られる。リンクを張って、その問題を論ずる文章が書かれる。しかし、記事が削除されたら、せっかく書いた文章が分かりにくくなってしまう。ひどい場合には、ブログに書いた文章が意味不明になってしまう。
 これでは、ニュースサイトにはリンクを張っても無駄である。
 先の文章で私は次のようなニュースサイトリンクを張った。

  http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20081204dde041200069000c.html
  http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008120400416
  http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120401000421.html
  http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20081204-OYT1T00060.htm?from=navr
  http://www.recordchina.co.jp/group/g26384.html
  http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=108216&servcode=700§code=720
  http://www.chosunonline.com/article/20081203000036

 これらの記事は、時間が経つと削除されてしまうであろう。リンクが無駄になってしまうだろう。(注1)
 インターネット社会はリンクで出来ている。リンクで情報を共有化している。記事を削除するニュースサイトは、情報の共有化を妨害しているのである。これでは、ニュースサイトは〈社会の公器〉とは言えない。(注2)
 一度インターネット上に公開した文章は公的なものになる。リンクが張られ、社会全体の共有物になる。だから、私的に削除する訳にはいかない。
 これがインターネットの大原則である。 

 一度インターネット上に公開した文章は削除しない。

 彼らは、この大原則を守るべきである。
 それが〈社会の公器〉たる者の義務である。
 
                    諸野脇@ネット哲学者


(注1)

 しばらくしてから、このリンクをクリックしてもらいたい。
 たぶん、全ての記事が削除されているであろう。
 もし、削除されていないサイトがあれば、そのサイトこそ〈社会の公器〉である。
 
 
(注2)

 新聞倫理綱領を見る。 

 国民の「知る権利」は民主主義社会をささえる普遍の原理である。
  
 記事を削除しては、「知る権利」を保障できない。 
 公共的、文化的使命を果たすべき新聞は、いつでも、どこでも、だれもが、等しく読めるものでなければならない。
  
 記事を削除することは、「いつでも、どこでも、だれもが、等しく読める」状態の破壊である。せっかくインターネット上でに公開され「いつでも、どこでも、だれもが、等しく読める」状態であった記事を削除しているのである。
 ニュースサイトの行為は「新聞倫理綱領」に反する。ニュースサイトを運営する新聞各社に改善を求める。

2008年12月15日

選挙期間中もブログを更新して、市長に当選!

 総務省は、選挙期間中のホームページ・ブログの更新を公職選挙法違反と解釈している。
 しかし、選挙期間中にブログを更新し続けて、市長に当選した方がいる。「選挙管理委員会の指摘」に反論して、ブログを更新し続けた方がいる。阿久根市長の竹原信一氏である。
 竹原信一氏のブログを見る。

2008/08/19 (火) インターネット選挙について

選挙管理委員の指摘に対する見解

ホームページの公開は「文書図画」の「頒布」ではない。ホームページ
の公開は、いわば選挙事務所内の資料室の公開である。これだけ違うもの
を同じとみなすのは無理である。日本語の解釈として無理である。
 つまり、総務省には「禁止」する法的な権限はない。権限もないのに、
無理強いをしているのである。
http://www.irev.org/shakai/isenkyo2.htm

  http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&log=20080819

 私の主張が引用されている。(笑)
 これは「確信犯」だ。
 つまり、竹原信一氏は、総務省の解釈が間違っているという信念を持っていた。ブログの更新は、「文書図画」の「頒布」ではないという信念を持っていたのである。
 竹原信一氏は自分で法律を解釈した。そして、市長に当選した。
 素晴らしいことである。
 
                    諸野脇@ネット哲学者


〔補〕

 最終的には、竹原信一氏はブログの記事を削除した。いろいろあったのである。
 詳しくは、門真市議・戸田ひさよし氏の次の文章をご覧いただきたい。

  ● ついにネットの選挙使用候補者が市長に当選!8/31鹿児島県阿久根市長選・竹原さん祝!

2008年12月16日

ブログを更新して刑事告発される? オバマ大統領もびっくりだよ!

 驚くべきニュースが入ってきた。(注)
 選挙期間中もブログを更新した竹原信一氏を刑事告発しようとする動きがある。
 

ブログ問題県議、市議が連名で阿久根市長を告発へ

 8月の阿久根市長選で初当選した竹原信一市長(49)が市長選の告示後に自身のブログ(日記形式のホームページ)を更新した問題で、県議会会派・県民連合(代表・二牟礼正博県議)所属の7県議と同市議らが、竹原市長を公職選挙法違反(文書図画の頒布)の疑いで刑事告発する方針を固めた。

 告発は、民主党、社民党、無所属の県議でつくる県民連合所属の県議と、市議数人が連名で行うという。二牟礼県議らは「公選法は同じルールで戦うという選挙の手続きを定めた法律。捜査当局が摘発しなければ、選挙違反を公認したことになり、選挙の公平性は保たれなくなる」と指摘。「ネット利用に関して、改正すべき点もあるが、現行法を平然と破っていることは問題」と述べた。

 これに対して竹原市長は「総務省や市選管の見解が間違っているという考えに変わりはなく、ブログ更新が不公平とは思わない。(ブログ更新が違法かどうか)本質的な議論ができるかもしれないので『(告発を)やってみればいいじゃない』という感じだ」と話している。

 ……〔略〕……

 (『読売新聞』鹿児島地域版 2008年12月13日)
  http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20081213-OYT8T00178.htm


 まず、次の事実を確認しておく。
 日本では、ブログを更新するだけで刑事告発される恐れがある。
 
 摩訶不思議な状態である。
 この事実が海外に報じられたと仮定しよう。外国人は、驚き、あきれるであろう。これは〈びっくり仰天おもしろニュース〉のジャンルである。(苦笑)
 しかも、「更新してはいけない」とされているのが政治家だと知ったら、彼らの驚きはさらに増すであろう。 
 ブログを更新しないで、どのように選挙活動をするのか。
 政治家がブログを更新してはいけないのはなぜか。
 
 当然の疑問である。
 日本の発想にとらわれているから、その異常さが分からないのである。諸外国から見れば、この状態は異常そのものである。オバマ氏はインターネットを活用して大統領に当選した。オバマ氏もびっくりであろう。
 刑事告発されたら、阿久根市長・竹原信一氏には、ぜひ外国人記者クラブで会見をおこなってもらいたい。
 日本が〈びっくり仰天おもしろ国家〉であることを世界に伝えよう。
 
 そして、総務省の担当者にも会見をおこなってもらおう。自分達の主張が、異質な他者を説得できるかを試してもらいたい。現在の総務省は内弁慶に過ぎない。立場が弱い者(候補者)に自分の主張を押しつけているだけである。そうではなく、外国人記者と戦えばいい。外国人記者の厳しい質問に耐えられるか、試してみればいい。
 
 日本では、政治家が選挙期間中にブログを更新すると刑事告発される。
 この事実をオバマ次期大統領に伝えたい。
 オバマ次期大統領は言うであろう。
 「チェンジ!」と。(笑)
 
                   諸野脇@ネット哲学者


〔追記 2008.12.17.〕

  オバマ氏は、インターネットを活用して大統領になった。 

インターネットの力が無かったら、オバマは大統領になれなかった―ハッフィントン女史はズバリこう語る。トリッピは、オバマのYouTube動画は全部で1450万時間分の視聴時間を集めている、と指摘。(トリッピ氏自身がネット選挙を仕掛けた)ハワード・ディーンの選挙活動を引き合いに出し、ネットはこれまでも選挙で使われてきたけども、オバマはオンライン動画からブログ、ソーシャルネットワーキング、選挙資金集めに至るまで、本当に選挙のあらゆる面でネットをテコにフル活用した、と評した。
  ● 「ネットが無かったらオバマ大統領はなかった」~政治勢力としてのインターネット

 これがアメリカの状態である。
 アメリカと日本を比べてみよう。「ネットをテコにフル活用」と「刑事告発」。
 少しめまいがする。(苦笑)
 総務省は自分が何をしているか分かっているのか。
 反省せよ。

 
(注)

 この〈びっくり仰天おもしろニュース〉は、ドラゴン氏からお教えいただいた。
 次の文章にコメントをいただいたのである。
 
  ● インターネット上での選挙活動は禁止されていない

 お礼申し上げる。
 

2008年12月17日

ブログ・ホームページも作っていない議員に「不公平だ」と言う資格があるのか

 阿久根市でオバマ大統領もびっくりの事態が起きている。
 選挙期間中にブログを更新した阿久根市長・竹原信一氏を刑事告発するというのだ。
 それでは、刑事告発しようとしている側の主張を見てみよう。
 二牟礼正博県議らは言う。 

 公選法は同じルールで戦うという選挙の手続きを定めた法律。捜査当局が摘発しなければ、選挙違反を公認したことになり、選挙の公平性は保たれなくなる。
  http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20081213-OYT8T00178.htm

 これは、ある意味、筋の通った主張である。(注1)
 二牟礼正博県議らは「選挙期間中にブログ・ホームページが更新できずに悔しい思いをしたのだろう」と想像する。
 しかし、その想像は間違いであった。
 そうるふれんど氏は言う。 
各議員さんが、選挙期間だけはブログの更新を自粛していたというのなら、まだ話は分かる。
しかし調べてみたら、
今回の“議員連合”の皆様には、「もともと」ホームページもブログもないではあ~りませんか・・・。
  http://ossanndream.blog101.fc2.com/blog-entry-251.html

 ホームページもブログも無い?
 その状態では、どうがんばっても「更新」を「自粛」することは出来ない。ブログ・ホームページ自体が無いのだから。(苦笑)
 つまり、「議員連合」の皆さんは「自粛」した訳ではない。それでは、どのような被害を受けたのだろうか。「議員連合」の皆さんは当事者性に欠ける。これでは主張に説得力がなくなる。(注2)
 今からでも遅くない。
 「議員連合」の皆さんは、急いでブログ・ホームページを作ろう。そして、自分の政策をどんどん市民に伝えよう。
 その上で、次のように訴えるのである。 
 選挙期間中は、この活発なブログの更新を自粛する。その間にブログを更新する人がいると、その人だけが有利になる。このような現状は不公平である。私は被害者だ。
 
 これが強い論法である。
 「私は被害者だ」という形に持ち込むのである。 
 「私は被害者だ」という論法は強い。
 その形に持ち込むのが論戦の常道である。
 
 「議員連合」の行動は論戦の常道から外れている。だから、批判に弱い。
 「ブログ・ホームページも作っていない議員に『不公平だ』と言う資格があるのか」と批判される恐れがある。(注3)
 このような批判を受けないように、前もって守りを固めておく必要がある。論戦には、そのような生真面目さが必要である。
 「議員連合」の行動には、そのような生真面目さが無い。
 「議員連合」は本気なのか。
 本気でないならば、刑事告発をおこなうのは難しいであろう。
 
                   諸野脇@ネット哲学者


(注1)
 
 既に詳しく論じたように、選挙期間中のブログ更新は「法律違反」ではない。
 しかし、「法律違反」であると主張している捜査当局は「摘発」しなくてはならないであろう。
 この主張は、そのような原理論として正しい。
 
 
(注2)
 
 一番の当事者は、竹原信一氏に市長選で負けた対立候補である。対立候補が竹原信一氏を刑事告訴すればいいのである。なぜ、対立候補が刑事告訴しないのであろうか。
 

(注3)

 この批判だけで、「議員連合」が論戦に負ける訳ではないだろう。
 しかし、何らかの言い訳をしなくてはならなくなる。
 言い訳をしながらの主張は弱い。
 このような重大な問題に関わる時には、弱みは前もってなくしておくべきである。

2008年12月18日

竹原信一市長は、ブログ更新が公職選挙法違反でない理由を既に述べているのだ --刑事告発するなら、その理由を批判しなければならない

 選挙期間中にブログを更新した阿久根市長・竹原信一氏が刑事告発されそうになっている。
 告発側の二牟礼正博県議は言う。 

 現行法を平然と破っていることは問題
  http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20081213-OYT8T00178.htm
 
 二牟礼正博氏が「平然と」このように言うことが大きな「問題」である。
 竹原信一氏は「現行法」を「破っている」のか。ブログ更新は違法なのか。それ自体が争点なのである。それにもかかわらず、二牟礼正博氏は「現行法を平然と破っている」と言う。「破っている」ことを前提にしてしまっているのである。(注1)
 これは〈酔っぱらいのおっさん〉レベルの発言である。
 次のような喩えが分かり易いであろう。 
 裁判で、ある人物が殺人をおこなったかどうかが争われている。(例えば、三浦和義氏の裁判を考えてもらいたい。)
 その裁判の被告について、酒場で酔っぱらったおっさんが言う。
 「ああいう風に平然と人を殺すのは問題だよね。」
 
 あのねえ。(苦笑)
 今、検察・弁護双方が懸命に「殺人をおこなったかどうか」を争っているのである。しかし、〈酔っぱらいのおっさん〉は、そんなことは全て無視である。いきなり「殺人をおこなった」と決めつけてしまうのである。〈酔っぱらいのおっさん〉は恐ろしい。(笑)
 上の二牟礼正博氏の発言はこれと同様である。今、「現行法」を「破っている」かどうかを争っているのである。それなのに、どうして「破っている」と決めつけるのか。
 二牟礼正博氏は酔っぱらっているのか。そうではないだろう。だとすれば、〈酔っぱらいのおっさん〉よりもっと恐ろしい。(苦笑)

 仕方ない。
 二牟礼正博氏にも分かるよう状況を説明しよう。
 既に、竹原信一氏は私の文章を引用して、「現行法」を「破って」いないことを主張している。ブログの選挙活動への利用が禁止されていない理由を述べている。 

2008/08/19 (火) インターネット選挙について

選挙管理委員の指摘に対する見解

ホームページの公開は「文書図画」の「頒布」ではない。ホームページ
の公開は、いわば選挙事務所内の資料室の公開である。これだけ違うもの
を同じとみなすのは無理である。日本語の解釈として無理である。
 つまり、総務省には「禁止」する法的な権限はない。権限もないのに、
無理強いをしているのである。
http://www.irev.org/shakai/isenkyo2.htm

  http://www5.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=521727&log=200808

 
 だから、「現行法」を「破っている」と言うならば、二牟礼正博氏が発言するべき番なのである。「破っている」理由を述べる責任は、二牟礼正博氏にあるのである。
 上の文章の主張のどこが間違っているのか。
 引用して、詳しく論ずるべきである。私の文章より長く、徹底的に論ずるべきである。
 しかし、二牟礼正博氏は、この主張に一言もふれずに、「現行法を平然と破っている」と言うだけであった。〈酔っぱらいのおっさん〉レベルの発言をしただけであった。
 「議員連合」の皆さんは、また、論戦の常道から外れている。 
 相手の主張を踏まえて自分の考えを述べよ。相手の主張を必ず引用せよ。
 そして、相手より具体的に論じよ。相手より長く論じよ。
 
 引用し、相手の主張を踏まえなくてはいけない。そして、相手よりも具体的に論じなくてはならない。相手より長い文章を書かなくてはならない。(注2)
 それなのに、「議員連合」の皆さんは、「現行法を平然と破っていることは問題」と一言述べただけであった。
 これでは、「議員連合」が本気かどうかを疑われても仕方ない。
 気迫が感じられないのである。
 
                   諸野脇@ネット哲学者
  

(注1)
 
 これは〈結論を先取りする虚偽〉である。
 まだ「現行法」を「破っている」と結論が決まった訳ではない。それ自体が争点なのである。しかし、「破っている」と決めつけて論を進めてしまっているのである。


(注2)

 相手の主張を引用して徹底的に批判するよい例はこの文章である。
 私は、二牟礼正博氏の主張を引用して、徹底的に批判した。
 二牟礼正博氏は「現行法を平然と破っていることは問題」と一言述べただけである。
 その一言をこれだけ長く批判したのである。

2008年12月19日

そんなふぬけた姿勢ではブログ更新を刑事告発できないぞ!(笑)

 「議員連合」の皆さんは、本気で竹原信一氏を追いつめたいのか。本気でブログの更新を公職選挙法違反に問いたいのか。
 私には、そのような気迫が伝わってこない。
 次の文章で論じた。
 
  ● ブログ・ホームページも作っていない議員に「不公平だ」と言う資格があるのか
  ● 竹原信一市長は、ブログ更新が公職選挙法違反でない理由を既に述べているのだ  --刑事告発するなら、その理由を批判しなければならない

 
 「議員連合」の姿勢はふぬけている。
 この問題は、そんな姿勢で突破できるやわな問題ではない。
 だから、私は次のように予想している。 

 「議員連合」の皆さんは、刑事告発を実現できない。
 仮に、実現できたとしても、不起訴にされて諦めてしまう。
 
 「議員連合」の皆さんは、捜査当局を動かすのがどれほど大変かが分かっていない。
 メールマガジン『インターネット哲学』で私が発表した次の文章をお読みいただきたい。
 
  ● なぜ、公職選挙法違反で逮捕してもらえないのでしょうか(苦笑)
 
 また、次の文章もお読みいただきたい。
 
  ● 確信犯的構造
   
 確認しよう。
 
 1 警察の警告を無視して、ホームページを更新し続けて当選した。しかし、刑事事件にしてもらえず。(門真市議・戸田ひさよし氏)
 2 〈特定候補をホームページで応援しよう〉という趣旨を呼びかけて、捜査2課の津田氏から「あなたのホームページは公職選挙法142条の違反である」とまで言っていただいた。しかし、刑事事件にしてもらえず。(門真市議・戸田ひさよし氏)
 3 〈選挙にインターネットを活用しても公職選挙法違反ではない〉という趣旨の文章でグーグルの検索結果1位になった論者が自分のブログで特定候補を応援した。しかし、刑事事件にしてもらえず。(私、笑)
 
 このように刑事告発を実現するのは大変なことなのである。(苦笑)
 「議員連合」の皆さんは、このような事実を知っていたか。知らなかったのであろう。インターネット上の選挙活動の現状を全く知らずに刑事告発ができるか。不勉強である。
 「議員連合」の皆さんは本気なのか。
 もし、「議員連合」の皆さんが本気ならば、まず、先に私が批判した点を直すべきである。防御力・攻撃力を高めるべきである。
 
 1 ブログ・ホームページを作る。
 2 竹原信一氏の論(私の論)を論破する。
 
 次に告発状を受理させなければならない。役人は、「いやがらせ」をしてくることがある。受理すると手間がかかる。だから、告発を諦めさせようとするのである。
 だから、専門家の知惠を借りよう。
 
 3 弁護士のアドバイスを受ける。
 
 仮に、告発が受理されたとしても、不起訴になる可能性が高い。
 不起訴になっても、不服申し立てをして徹底的に戦おう。
 ここまでする気迫があるのならば、「議員連合」の皆さんは本気である。「選挙でのインターネットの活用が公職選挙法違反かどうか」を裁判においてはっきりさせるためには本気の方が必要なのである。
 竹原信一氏自身も言っている。
 (ブログ更新が違法かどうか)本質的な議論ができるかもしれないので『(告発を)やってみればいいじゃない』という感じだ。
  http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20081213-OYT8T00178.htm

 裁判で「本質的な議論」をするためには、本気で告発してくれる方が必要なのである。
 こう考えると、「議員連合」の皆さんは、物事をはっきりさせる同志であると言ってもいい。(笑)
 「議員連合」の皆さんに期待する。
 もちろん、竹原信一氏も皆さんに期待してる。
 「やってみればいいじゃない」と。(笑)
 
                  諸野脇@ネット哲学者
 

2008年12月20日

【緊急速報】オリコン恫喝訴訟(SLAPP)問題がついにテレビ特番に! TBS 21日深夜放送

 オリコン・烏賀陽(うがや)訴訟がテレビで取り上げられる。
  
  報道の魂『ある名誉毀損判決の波紋』~オリコンVSジャーナリスト~
  TBS 12月21日 24時55分~25時25分
  Gコード 8704754

   http://www.tbs.co.jp/houtama/

 ついに、テレビで恫喝訴訟(SLAPP)問題が批判的に検討されるのである。
 ご注目いただきたい。(Gコードは 8704754 である。笑)

 既に、インターネット上ではオリコンの訴訟について多くの批判の声が上がっている。
 例えば、ヤフーで「オリコン訴訟 批判」を検索すると次のようになる。
 
  http://search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%B3%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E3%80%80%E6%89%B9%E5%88%A4&search.x=1&fr=top_ga1&tid=top_ga1&ei=UTF-8
  
 批判の声が多く上がっていることが分かる。(私が批判の声をたくさん上げていることも分かる。笑)
 しかし、インターネット以外のメディアは、ほとんど批判の声を上げていない。沈黙したままである。
 これは不当である。SLAPPは重大な問題である。マスメディアに大きな影響を与える問題である。
 この番組がマスメディアの不当な沈黙を打破する第一歩になることを望む。
 
                  諸野脇@ネット哲学者

 
〔以下、この番組の紹介文を載せる〕

報道の魂『ある名誉毀損判決の波紋』~オリコンVSジャーナリスト~
(2008年12月21日 放送)

言論には言論で応じる時代は終わったのか?

ジャーナリストの記事やコメントに対して、書かれた側がいきなり訴訟を起すケースが増えている。しかも巨額の損害賠償を求めるケースが多く、言論活動封じ込め目的?との批判が起こる例すらある。

ヒットチャートで有名なオリコンは、ある雑誌記事により名誉を傷つけられたとして5000万円の損害賠償訴訟を起した。しかも記事の執筆者や編集責任者は訴えず、雑誌の取材先となったジャーナリストだけを訴えるという手段に出た。こうしたオリコン側のやり方に「口封じまがい?」との批判の声もあった。

1年5ヶ月に及ぶ審理の結果、東京地裁の一審判決はオリコン側の訴えを認め、ジャーナリスト個人に100万円の賠償を命じる内容となった。しかし一方で、判決に首をかしげる人も多かった。「裁判所は、口封じまがいの訴訟を、是認するつもりか・・」と。

米国では、言論封じ込めを目的とした訴訟は「SLAPP」と呼ばれ、訴えそのものが門前払いとなることが多い。言論の自由への悪影響を危惧してのことだ。しかし日本の司法界には「SLAPP」という概念そのものがない。審理が長期化すると、訴えられたジャーナリストは裁判対策に忙殺され、勝ち負け以前に疲弊して活動を封じられることすらある。

番組ではオリコン訴訟判決が生んだ様々な波紋について取り上げ、訴訟と言論のバランスをどう取るべきかを考える。

取材:秋山浩之
撮影:若泉光弘

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