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【いじめ論21】社会的ジレンマを解決するには「爆発」が必要

 社会的ジレンマは解決が難しい。それは、一人ひとりが自分が得な「選択」をした結果だからである。
 クールビズ問題も社会的ジレンマであった。夏にネクタイをするのは、個人にとっては得な「選択」であった。無難な「選択」であった。その結果、社会全体としては大きな損失が発生していた。
 しかし、最近、クールビズ問題は大筋で解決された。現在、夏には、多くの会社員がネクタイを外し、上衣を脱いでいる。夏の暑さに適した服装をしている。
 なぜ、クールビズ問題は解決されたのか。それは東日本大震災で福島第一原発が「爆発」したからである。また、火力発電所が止まったからである。それによって、夏の電力不足が深刻化したからである。
 電力不足が深刻化し、オフィスの冷房の温度が上げられた。あらゆる場所で節電がおこなわれた。
 現実に電気が足りないのだから、節電は必須である。だから、冷房をやめたり、弱めたりする必要がある。その状況下ではネクタイを外す必要がある。ネクタイをしていては節電が徹底できないのである。
 だから、節電のためにみんながネクタイを外すと想定できる。みんながネクタイを外すと信じることが出来る。政府でさえ作ることが出来なかった集団の成員への信頼感が「爆発」によって作られたのである。
 クールビズ問題は社会的ジレンマである。一人だけネクタイを外すことは難しい。全員がネクタイをしている中で、一人だけ外すと「失礼な奴」と思われるのである。しかし、全員がネクタイを外すならば、ネクタイを外すことが出来る。全員がネクタイを外しているならば、ネクタイを外しても失礼にならない。全員が一斉にネクタイを外すならば、何の問題もない。だから、ネクタイを外すことが出来る。
 重要なのは、「みんながネクタイを外す」という「予測」が「爆発」によって生じたことである。実際にみんながネクタイを外している状況が生じたことである。みんなが外すなら、自分も外せるのである。
 社会的ジレンマを解消するためには「爆発」が必要だった。「爆発」によって、「みんながネクタイを外す」という「予測」が生じた。全員が行動を変える状況が生じた。
 一度できてしまった社会的ジレンマを解決するためには「大変な力」が必要である。全員の行動を一斉に変える「大きな力」である。
 それは、クールビズ問題の場合は福島第一原発の「爆発」であった。深刻な電力不足であった。
 いじめの場合はどのような事態が「爆発」なのか。どのような事態によって、「みんながいじめをやめる」と子供が「予測」するようになるのか。〈全員がいじめ行動をやめる〉状況が生じるのか。


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2015年09月11日 23:07に投稿されたエントリーのページです。

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